なぜ『プレデター:バッドランド』は、圧倒的に面白いのに、何かが物足りないのか?

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プレデター バットランド

🎬 最新作を観るまで:偶然の出会い

先日、『プレデター:バッドランド』を劇場で鑑賞しました。実は、最新作が公開されていることを事前に知らなかったのです。

きっかけは、モールでの食事です。飲食店街やフードコートが混雑していたため、待ち時間を避けて何か食べながら観られる映画を探したところ、上映開始までの待ち時間が少なく、馴染み深いタイトルである「プレデター」が目にとまりました。

大した期待もなく、ホットドッグを食べるついでで観始めた映画でしたが、その面白さに驚かされました。

📽️ 「プレデター」映画というジャンル

鑑賞後に調べてみると、「プレデター」映画は、本作を含めて9作品も制作されています。

  • 『プレデター』(1987年)
  • 『プレデター2』(1990年)
  • 『エイリアンVS.プレデター』(2004年)
  • 『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』(2007年)
  • 『プレデターズ』(2010年)
  • 『ザ・プレデター』(2018年)
  • 『プレデター:ザ・プレイ』(2022年)
  • 『プレデター:最凶頂上決戦』(2025年)
  • 『プレデター:バッドランド』(2025年)

こうしてタイトルを並べると、まるで「ゴジラ」映画のように、いつの間にか一大ジャンルを確立していたことがわかります。過去作の数本は観ているはずですが、正直なところ、1作目以外は内容とタイトルがはっきりと思い出せません。それでも、今作の鑑賞には全く支障はありませんでした。

🍿 娯楽を極めたストーリーとキャラクター

久しぶりに、純粋に娯楽に徹したハリウッド映画を観たという印象です。最初から最後まで飽きることなく楽しめました。

今作の最大の特徴は、これまでのシリーズで人間の敵であったプレデターが主人公である点です。

冒頭からプレデターの兄弟・親子同士の争いが勃発し、危険な惑星での冒険を通して主人公が成長する姿が描かれます。旅の途中で、下半身を破壊されたおしゃべりな美女アンドロイドや、ポケモンのような奇妙な生き物も仲間に加わり、悪の組織の陰謀に巻き込まれながらも、仲間と協力して困難を乗り越えます。最後は故郷の惑星に戻り、復讐を果たすという、まさに**ジョーゼフ・キャンベルの神話的英雄譚(モノミス)**そのものです。

上映時間も107分に収められており、テンポも良く、最新技術による映像も素晴らしい。本当に面白い映画でした。

なのに、何かが物足りなかったのです。

もちろん、「プレデター」映画に深いテーマは求めていません。しかし、シリーズの根幹をなす**「何か」**が失われてしまった気がしました。

🥶 「プレデター」映画との最初の遭遇

1作目『プレデター』が公開された1987年当時、私は高校生でした。

町の映画館で、同時上映のミッキー・ローク主演『エンゼルハート』と併せて観たのを覚えています。当時は、『プラトーン』のようなベトナム戦争をテーマにした作品や、『ランボー』『コマンドー』などのアーミーアクションが多く、これもその系統だと思い込んでいました。銃を構えるシュワルツェネッガーのポスターから、『コマンドー』の続編か二番煎じだろうと、あまり期待していなかったように思います。(当時はどちらかというとスタローン派でした。)

映画は、ジャングルで消息不明となった高官を救出する精鋭コマンドーチームの作戦という、期待通りの展開で始まります。

しかし、後半から流れが変わり、ジャングルの中で正体不明の敵に仲間が一人また一人と消されていく展開に。姿を見せず、未知の兵器を操り、理由もわからないまま襲いかかる存在、それこそがプレデターでした。

観客は主人公が感じる圧倒的な恐怖を追体験させられました。そう、1作目のプレデターは、圧倒的な恐怖の対象として描かれていたのです。今回の鑑賞で、無意識にその恐怖の存在を期待してしまっていたようです。

👻 新作で失われた恐怖

本来プレデターは、人間の存在を脅かす「未知の脅威」として描かれてきました。

それが、ゴジラのように次第に「未知の脅威」ではなくなってきてしまった。今作では、主人公デクは観客が感情移入すべき存在として焦点が当てられたため、そこに恐怖は全く存在しなかったのです。

「恐怖」は人間にとって本能的な感覚です。自然、テクノロジー、経済、人間関係など、その恩恵を受けながらも、私たちは心のどこかで得体のしれない恐怖を感じています。その正体を知りたいという好奇心は破滅を招く可能性もあるため、ホラー映画のような創作物で安全に恐怖を味わいたいという欲求があるのかもしれません。

この映画は決して悪くありません。純粋な娯楽作品として楽しめるので、ぜひ大画面で楽しんでほしい映画です。

ただ、個人的に無意識に期待していた「恐怖」の要素が欠けていた。いつか「プレデター」シリーズには、根源的な恐怖を取り戻した作品を生み出してもらいたいと期待します。

(ちなみに、ホットドッグとドリンク、映画のチケットで3,000円もしたことは、ちょっとした恐怖でした。こんな恐怖はいらないですが!)

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